子供の頃、我が家に毎月届いていた「こどものとも」と「かがくのとも」。
近所の本屋さんが届けにきてくれるのが毎回楽しみで、一人で読んだり、妹と読んだり、友達と読んだり、おじいちゃんに読んでもらったり・・・
今でも深く印象に残ってる絵本が何冊もあります。
ほとんどの本が「大好きだったから」という理由で記憶に残っているのですが、1冊だけ「怖くて怖くてしょうがなかった」という理由で、トラウマのように覚えている本があります。
それが、この「なおみ」という本。
主人公の女の子が、当時の私に似ていたということもあるのですが、とにかく怖くて、よく妹と「なおみ!」「きゃ~!!」みたいに、全国のなおみさんには申し訳ないのですが、私たちの間では「なおみ」という言葉が恐怖ワードとなっていました。
昨日たまたま仕事場でこの本の話になり、断片的に覚えているストーリーや特徴を友達に話しました。
「女の子と日本人形の話で、文章と写真がとくかく怖かったの!白黒っぽい写真で、古い家に住んでて、いつも”なおみ”っていう日本人形と一緒にいるんだけど、文章が”なおみはなにも話さない”とか”なおみはかすかに笑う”とか、最後なんて”なおみが死んだ”って書いてあって、桐の箱に日本人形が寝そべってる写真なんだよ~」と、やや興奮気味に、いかに「なおみ」が怖かったかを語りました。
そしてふと、どうしてももう一度あの本が見てみたくなり、ネット検索してみたところ、すごいヒット数!
どうやらなんと「なおみ」は、かなりの有名作品で、『文章:谷川俊太郎 × 写真:沢渡朔』という夢の異色コラボレーションだったらしいのです。
そうか、考えてみれば、谷川俊太郎っぽい文章だったかも・・・と妙に納得してしまいました。
今は絶版で復刊の予定もないため、古本屋さんやネット上では、かなりの金額で売買されているそうです。
でも、当時の子供を怖がらせたという衝撃作だったということも事実のようで、定期購読をしていた幼稚園から「子供たちが怖がる」とか、読んだ子供たちが「怖くて泣いた」「こどものともを毎月幼稚園からもらって帰ってたけど、この本だけはどうしても持って帰りたくなかった」などなど、当時私が感じたのと全く同じコメントが数々掲載されていました!(私は、これにプラスして、主人公が自分に似てたっていうのが、さらに恐怖心をあおっていたんだけど・・・^-^;)
そんなこんなで、実家にまだあるはず・・・と思い、さきほど妹に「なおみってまだあったっけ?」とメールしたところ、「多分あると思うよ」と帰ってきました。ここ数年、妹と私の間で「なおみ」の話題はしてないし、何の前置きもなく「なおみ」と書いただけなのに、すぐにあの本だと分かるあたり、やっぱり、私たちの心の中で深い印象となって残っているんでしょうね。
あらためて「なおみ」のすごさを再認識しました!!!